9月上旬。関内での用事が終わりお腹が空いたので、少し足を伸ばして伊勢佐木長者町まで行ってみた。実はここは、依然から少し気になっていた場所である。桜木町に住む弟を車で送るために、いつも横羽線の阪東橋で降りると、そこには多彩なジャンルの飲食店が沢山あり魅惑のグルメタウンなのである。
その日はタイ料理の焼きそばと言われるパッタイがどうしても食べたくて、現地の人がやっているタイ料理のお店をGoogleマップで探して入ってみた。タイ料理は大好きで、友人とご飯に行くときは必ずリクエストするし、この夏は10日に1回のペースでタイ料理を食べている。
汗だくの15時。昔スナックをしていました感のある、建物の造りを発見。重い扉を開けると、店内の空気がすごい。タイそのもの。現地の調味料や食材がびっしり棚に並んでいて、スーパーのフードコートみたいな雰囲気が良い。ランチ営業は終了し通常メニューのみ、お客さんもタイ人の女の子1人だけだった。
メニューを見て、お目当てのパッタイと、お腹が空きすぎてイカのサラダを頼むと決めた。イカのサラダはヤムプラームックという、タイ料理の定番メニューでイカとハーブのスパイシーサラダという感じで、おつまみに最高。なんせイカが大好きだから、食べたくなるんです。シンハーも飲みたかったけど、帰りに図書館へ行くと決めていたから我慢。
おばちゃんに頼むと、「イカサラダ?コレ、カライヨ」って言われて「大丈夫でーす!」と即答。パッタイが先にきて、卓上調味料で好きな味にアレンジして楽しんでいると、イカのサラダがようやく来た。
正直びっくりした。まず、イカのボリュームがすごい。いろんなお店で、イカのサラダを頼んだことがあるけど、こんなにイカがメインで豪華なサラダは初めてだ。これで約1000円とかコスパ良い。期待が高まる。こんなの美味しいに決まっている。わーい!いただきまーす!と一口。一瞬で汗が吹き出た。本当に辛かった。
見た目も味も、今まででナンバーワンのイカのサラダだけど。辛さ耐性はそこそこあるけど。辛すぎて本当に食べれなかった。
唐辛子を頑張って抜いても辛い。蒸し暑い炎天下を歩いている時よりも、汗が沸いてくる。岩盤浴をやっている時より、汗が滝のように流れる。食べれば食べるほど、口の中が炎上する。あんまりにも暑すぎて、シンハーを追加しようと思ったけど、その日はどうしても図書館に行かなければいけなかったし、飲酒して図書館へ行くとか人間として終わっている行動は流石に出来ないから泣く泣く諦めた。でもあの辛さは、ビールと絶対合うと思う。
そういえば前に、ネパール料理店でマトンカレーをテイクアウトする時、「カライノオーケー?」とネパール人の店員さんに聞かれて、この時もオーケーと即答したけど、めちゃくちゃ辛すぎて食べれなかったことを思い出した。
現地の人が言う、カライヨ?はガチで辛い。
日本の感覚の辛いじゃない。その確認作業の時だけは、現地にいる感覚にならんと。ただのコミュニケーションじゃなくて、店員さんからの警告なんだと。インターネットでいう「このサイトは安全ではない可能性があります」がポップアップに出たくらいの危機感を持たないと。あの時に学んだはずなのに、今回全く生かされなかった。
イカだけでも頑張って食べて、後は口内の消化活動にあたった。とにかく水を飲んで、落ち着こうと必死だった。手持ちのハンカチは、もうすでにクタクタだった。
口の中がヒリヒリして、とても刺激的なランチだったなと思いながらレジへ向かうと
ハイ、そうですよね!!!(黙)
まぁ確かにね。よく食べるパッタイは、甘めの味付けなので自分で唐辛子を振りかけるし、その方が美味しいし分かります。他のタイ料理もね、基本自分で辛さ調節して美味しく楽しんでいますよ。
ただね、あのイカのサラダはかなりスパイシーだったよ。数人で囲む焚き火じゃなくて、みんなでマイムマイムを踊りたくなるくらい激しく燃えるキャンプファイヤーだったよ。それこそファイヤーって叫びたかったよ。これはブログを書こうと思って一生懸命メモしていたら頭がおかしくなって、辛い(からい)と辛い(つらい)って同じ漢字なんだという発見もあったよ。
おばちゃんに「少し辛かったけど美味しかった。また来ます」って言ったら笑ってた。シェフのおじちゃんがコップンカーって言ってくれたから、サワディカーって言って店を出た。ナンバーワンのタイ料理店になった。今度は、酒飲みの弟を連れてシンハーで乾杯し、まずイカのサラダでつまもうと思う。言えたら、少し辛さ控えめでと頼んでみる。もちろん、この日は口内のコンディションを整えて。からいとつらいが入り混じるクワームソンジャムの日になった。
余談だが、この日以来タイ料理を食べたいと思ったことがない。
⭐︎今回行ったお店 インムアロイ