どんな理由があったとしても

f:id:hamu_z:20211115133434j:plain母親もジュエリーが好きですが父親も好きです。普段着けていた訳ではないけれど、ジュエリーにお金をかける事に理解があります。そんなある日、父親と都内のカフェで近況報告をしていた時のこと。わたしがアクアマリンの指輪が欲しいだの、母からもらった指輪をリフォームしようか迷うとかいつものジュエリーマシンガントークをしていたら、父親が「自分のものもあげる」と言ってくれたんです。わーラッキー!って思ったのと同時に、父親に手持ちのジュエリーなんてあったっけ?自分のものってなんだろうとふと疑問に思ったんです。その時、父親が真剣な顔をして「なぜその物がここにあるのか、理由を聞かなければいい」と再三言いました。不思議に思いつつも後日宅急便で受け取りました。母親の居ない日に。

 

 

 

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わたしがもらったのは、婚約指輪と結婚指輪でした。しかも年季が入ったものではなく、真新しいものです。しかもご丁寧?に購入証明書までついていたんです。その証明書に書いてある購入日を確認すると...。あれから2年ほど経っていて、なんとなく察しました。

 

 

 

 

もう別にいいんです。家族を自ら手放した人の人生なんて。知りたくもありません。最初は戸惑いが大きく、説明してもらう必要があるとも思いました。「これはなんなの?」って。でも質問を投げかける勇気が、私にはありませんでした。あの真剣な顔で聞くなと言われたら、そりゃあ聞けません。あれから4年経つけど未だに知りません。でもいいんです。聞いちゃダメというより、聞かなくていいんだなって。父親というタイトルの本は父親が主人公なんだから、自分の知らないところで迷惑かけずに生きてくれればいいと思う。それにどんな意図でそれが今日まで存在しているのか、知ったところでこの指輪たちに罪はありません。本来なら恋人から夫婦になって行く証として生きて行きたかっただろうに、誰かさんのせいでたまたま"訳あり品"になってしまったんです(笑)

 

 

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皮肉なことにサイズもぴったりで、イエローゴールドの指輪が大のお気に入りです。もはや定番アイテムになっています(笑)ミル打ち可愛い〜。ハーフエタニティの方は今はボックスに眠っているけど、きっと30代に突入したら好き好んで使いそう。ダイヤがキラッキラ輝いていて目の保養です。ちゃんとダイヤが外れないよう補強の意味でレール留めを選ぶところが父親らしいですね...(笑)意外と父親のセンスいいんでないの

ひょんなことから、譲ってもらったジュエリー。最初は売ってお金に変えようともしたけど、この子たちに罪は全くないのでこれからも愛用していく予定です。

たぶん20年も前からあの星に魅せられていた

セルペンティと彼女